クリニックにおける自動精算機のデメリットとその解消術
- 2024年7月18日
- 自動釣銭機・セミセルフレジ
会計業務の効率化のために、自動精算機の導入を考えているクリニックは多いのではないでしょうか。
自動精算機の導入は、文字通り会計が自動化するだけでなく、データ管理の一元化や、待ち時間が減少することで患者満足度の向上にもつながります。
このようなさまざまなメリットが得られるものの、導入コストやスタッフの操作方法の習得などがネックとなり、導入をためらってしまうケースも少なくありません。
この記事では、自動精算機の導入によるデメリットと、それらを解消するための具体的な方法を紹介していきます。
デメリットを解消し、自動精算機の導入によりDX化を図り、クリニック運営の効率化を目指しましょう。
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目次
自動精算機の一般的なメリットと普及状況
自動精算機の導入によって得られるメリットは、大きくわけて以下の3つが挙げられます。
- 患者さまの満足度の向上:会計処理を迅速におこない患者さまの待ち時間が短縮する
- 患者さまの利便性の向上:キャッシュレス決済が対応可能で患者さまの利便性が向上する
- スタッフの負担の軽減:スタッフは会計業務の自動化により、ほかの業務に集中できる
近年、医療機関では、業務効率化や患者サービス向上という観点から、自動精算機の導入が進んでいます。
特に、都市部の大型クリニックや病院では、患者数の多さから導入率が高い傾向にあります。
一方、中小規模のクリニックでも徐々に導入が進んでおり、今後さらに普及が加速すると予測されています。
関連記事:クリニックにおける自動精算機の必要性とその時代背景―選び方のポイントも
自動精算機のデメリット
自動精算機を導入するデメリットとしては、主に以下の内容が挙げられます。
- 導入コストが高額
- 患者さまへの対応が必要
- システムの不具合やトラブル対応
- 個人情報保護のリスク
それぞれ詳しく解説していきます。
導入コストが高額
自動精算機を導入する際に気になるのが導入コストの高さです。
費用は大きくわけて、初期費用と維持費用にわかれます。
自動精算機の導入には、初期費用が大きくかかります。
機器本体だけでも50万~500万円と幅広く、機能が充実するほど高額になる傾向です。
また、機器本体の購入費用だけでなく、設置工事費やシステムの設定費用もかかります。
自動精算機は定期的なメンテナンスが欠かせません。
月5万円程度で、機械の動作確認や消耗品の交換、システムのアップデートが含まれます。
ほかにも、故障時の修理費用も考慮しなければならないでしょう。
導入コストの確保が難しい場合は、どんな機能が必要なのかを検討した上で、補助金制度やリースの利用も、検討してみてください。
患者さまへの対応が必要
機械に不慣れな方は、精算を機械でおこなうことに抵抗があるため、サポートが必要になります。
高齢者の方の中には、タッチパネルや操作手順に慣れず、会計をおこなうのに苦労してしまう人もいます。
視覚や聴覚に障がいがある場合は、操作が一層難しくなるでしょう。
機械に不慣れな患者さまは誤操作によるトラブルや、操作の手順が分からないといった問題が生じやすく、自動精算機の使用自体がストレスとなる可能性があります。
こうした方々を適切にサポートするため、スタッフは操作の説明ができるように手順を覚える必要があります。
誰にでもわかるように、操作の手順を掲示しておくのも有効です。
システムの不具合やトラブル対応
自動精算機は便利ですが、システムの不具合やトラブルはつきものです。
実際にトラブルが起きたときに焦らないように、対応の仕方を把握しておきましょう。
自動精算機が故障した場合は、迅速な対応が求められます。
特に、会計業務が滞ることで、患者さまの待ち時間が増え、クリニックの運営に影響を及ぼす可能性があります。
停電やシステムエラーが発生した場合も、自動精算機が使用できなくなります。
この状況下では、急きょ手動での会計処理となり、スタッフの負担が増加します。
そのため、システム停止時のマニュアルを作成したり、不明点は事前に業者に確認したりして、スムーズに会計処理が行えるようにしておきましょう。
個人情報保護のリスク
自動精算機には、多くの患者さまの個人情報が記録されるため、取り扱いには十分に気をつけなければなりません。
セキュリティ対策は欠かせないでしょう。
対策が不十分な場合は、個人情報が漏れるリスクが高まります。また、システムの不具合や外部からの攻撃により、データが漏洩する危険性があります。
これにより、患者さまのプライバシーを守れない可能性があります。
自動精算機を操作する際は、パスワードがあるからと安心せず、十分なセキュリティの対策をしましょう。
デメリットの解消術
自動精算機導入のデメリットの解消術について、それぞれくわしく解説していきます。
導入コストの軽減策
自動精算機の購入をためらう要因として大きいのが導入コストでしょう。
クリニックが自動精算機の導入に踏み切れないのは、機械の価格だけでも20万~500万円と高額なことが理由として挙げられます。
もし、一度に支払うことが難しい場合は、以下の方法を検討してみてください。
- リースや分割払いの活用
- 補助金や助成金の利用
まず、初期費用の負担を軽減するために、リースや分割払いを活用する方法があります。
利用すると、一度に大きな資金を投入する必要がなくなり、経済的な負担を分散できます。
また、自治体や政府が提供する補助金や助成金の利用もおすすめです。地域医療の充実を目的とした支援制度を活用でき、費用の一部を補助してもらえます。
これにより、導入コストの削減が可能となります。
関連記事:クリニックの自動精算機・セルフレジ導入における補助金活用-その種類と留意点
高齢者やテクノロジーに不慣れな患者さまへのサポート
自動精算機の導入により、クリニックの利用が多い高齢者、機械や電子機器などの操作に不慣れな患者さまへのサポートが必要となります。
充実したサポート体制を整えることで、患者さまが安心して自動精算機を利用できます。
スタッフの数に余裕がある場合は、初めて自動精算機を利用する患者さまに対して、個別のサポートの提供が有効でしょう。
患者さまの操作時には、スタッフが横について操作の方法を説明しサポートします。
こうしたサポートが難しい場合は、分かりやすい操作マニュアルや案内表示の設置も効果的です。視覚的に分かりやすいイラストを用いると理解が得やすくなります。
システムの不具合やトラブルへの対策
システムや機械の導入には、不具合やトラブルがつきものです。
急なトラブルでも困らないように対策をしなければなりません。
定期的なメンテナンスには、機械の動作の確認や消耗品の交換が含まれ、これにより、故障やトラブルの発生を未然に防げるでしょう。
バックアップシステムの導入も効果的です。
トラブルにより、急にデータが飛んでしまうこともあります。万が一のトラブルに備えて、バックアップシステムを導入しましょう。こまめにバックアップしていれば、停電やシステムエラーが発生しても、迅速に代わりの手段で対応できるため安心です。
さらに、迅速なサポート体制の確立も大切です。
トラブル発生時に、焦らず、迅速に対応できるサポート体制を整えておくと安心です。
メーカーやサポート業者との連携を強化し、トラブル時の対応マニュアルを整備しておくといいでしょう。
関連記事:自動精算機のクリニックのサポートとは?比較する4つのポイントを解説
個人情報保護の強化
万が一、個人情報が漏れてしまうと、クリニックの信用に影響します。
個人情報を扱う場合は、十分なセキュリティ体制を整えておくことが大切です。
個人情報を保護するために強固なセキュリティ対策の導入を検討しましょう。
具体的には、暗号化技術の採用や不正アクセス防止のためのファイアウォールの設置などが挙げられます。
また、定期的なセキュリティチェックとシステムアップデートも重要です。
定期的にアップデートをおこなうことで、システムのセキュリティが維持でき、新たなウイルスに対応可能な体制を整えることもできます。
セキュリティ対策のほかに、スタッフに対して、個人情報保護に関する教育の実施が欠かせません。
スタッフが何気なく発言したことで、患者さまの個人情報が漏れる可能性もあります。
スタッフを教育することで、日常業務においてもセキュリティ意識を高く保つようになり、情報漏洩のリスクを最小限に抑えます。
成功事例の紹介
あるクリニックでは、自動精算機の導入にあたって、高齢の患者さまの操作や使い方に対する理解がネックとして浮上していました。
そのため、クリニックではこの問題をクリアするため、以下の対策を講じました。
- 操作が直観的で簡単なタッチパネルのタイプを導入
- 導入したばかりの頃はスタッフがそばでサポート
- 患者さまからのフィードバックをもとに操作ガイドを導入後も改善
この対策により、誰でもが容易に自動精算機の操作ができる仕組みをつくることができました。
自動精算機の導入後は、下記のようなメリットが得られています。
①受付スタッフの会計業務の負担が軽減したため、ほかの業務に専念できるようになりました。
会計入力のミスもありません。
②待ち時間が短縮され、患者満足度がアップしたこともメリットです。
操作に不安を感じていた高齢の患者さまからは、「最初は不安だったが、使い方を教えてもらい、いまでは便利に感じている」といった声もあるようです。
この事例では、クリニックが自動精算機で生じやすいデメリットを克服し、患者さまとスタッフの双方にとって大きなメリットをもたらしたことがわかります。
まとめ
最後に、自動精算機の導入のメリットとデメリットをまとめます。
導入のメリット |
導入のデメリット |
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|
自動精算機の導入は、待ち時間の短縮やスタッフ負担の軽減といった多くのメリットがあります。一方で、導入コストや高齢者の操作対応などのデメリットもあります。
リースの契約をしたり補助金を利用したりすることで費用面の懸念は解消できる可能性があるでしょう。また、スタッフによるサポートを充実させることで、患者さまは安心して利用することが可能です。
自動精算機にはたくさんの種類があるため、導入の際は、ご自身のクリニックに最適な機種を慎重に選考する必要があります。
関連記事:自動精算機をクリニックに導入する6つのデメリット!選ぶコツも解説
MEDIREGIは、クリニック専用の「自動釣銭機・セミセルフレジ」であり、運用の安定化を徹底サポートし、クリニックの業務効率化にコミットします。
自動精算機の導入の際は、お気軽にお問い合せください。
著者PROFILE
- 医療機器メーカー営業としてキャリアをスタートした後、医療ITベンチャーにて生活習慣病向けPHRサービスのプロダクトマーケティング責任者をはじめ、メルプWEB問診の事業責任者を経験。その後、クリニック専用の自動精算機・自動釣銭機の商品の企画・開発を手がけ、現在は「医療を便利にわかりやすく」をミッションにスマートクリニックの社会実装に向け同事業の企画・推進を担当。
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